上町地震

大阪市内の上町台地西麓、ほぼ地下鉄谷町線に重なって南北に伸びる活断層がある。この断層は古来、活動の度に陸側が隆起し海側が沈降してきた。こうしてできたのが標高20mほどの上町台地だ。この断層を上町断層帯と呼び、大阪市内だけでなく、北は豊中市、南は岸和田市にまで伸びていて、全体として動いた場合はM7.5、大阪市内で震度7、高槻も南部は震度6弱から6強にまでなると予想されている。
その発生の可能性なのだが、恐るべし、政府の地震研究推進本部は「今後30年以内に2~3%」と予測する。25年前の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の場合、発生前には0.4~8%と予測されていたこと、熊本地震の場合、同じく布田川断層帯が0~0.9%であったことと比べると、上町断層帯の動く確率はかなり高いと言わざるを得ない。真に警戒が必要なのだ。
なぜこれをマスコミは言わないか。影響が余りに大きすぎるからだ。この上町台地を造った断層が動いた場合、大阪は壊滅する。阪神淡路大震災の比ではない。
あの大震災から25年。1月18日の新聞は追悼や防災訓練の記事を載せた。しかし、それだけでは足りない。迫り来る地震災害を具体的に伝え、警戒心を呼び起こす事が肝要だ。地震は過去のものではなく、近未来のものだ。2018年6月18日の大阪北部地震は震度6弱の南北方向の揺れだったが、それよりも強い揺れ(おそらく東西方向、または南西―北東方向の揺れ)が高槻を襲うだろう。6弱と6強の違いは半端ではない。前回大丈夫だった家屋も、耐震性が不十分な場合、次は倒壊のおそれがある。
常在戦場。地震はいつ起こるかわからない。それを心に留めて準備をしておけば、いざという場合もあわてることもなくなるだろう。その地震が何と名付けられるのか。上町地震と呼ばれる程度ならよいが。(黄鶴仙人)

国会

1月20日、国会が始まった。今は各党代表質問が行われている。これを「論戦」と新聞は書く。しかし論戦などどこにあるのか。
野党の質問はすばらしい。今の情勢に対する国民の感覚・疑問を的確に言葉にしており、よくぞ言ったと快哉を叫びたいほどだ。しかしその野党の質問に対し、総理はまともに応えよう・答えようとしない。問題をすり替え、丁寧にと口では言うが言葉の数が多いだけで中身は何もない空疎な答弁が続く。その姿は、野戦において、数では優勢でありながら戦闘意欲なく戦術にも劣るため、旗を巻いて逃げ回る武将の姿に似ている。とりあえず戦闘の場から逃げよう、逃げて命長らえよう、命さえあれば最終的には勝ちだと読んでいるのだ。
国がこうだから、地方も右へならえだ。高槻市議会では質問と答弁が噛み合わない事が多い。市民にとって重要な話題になればなるほど、その傾向が強い。市民を冒涜するなと言いたいが、深くものごとを考え鋭い質問を飛ばす議員は、概して無所属だったり少数派だったりする。そういった質問に答えなくても、多数派与党が付いているから、正しい対応は不要なのだ。
こうした政治の現状には目を覆いたくなる。心穏やかになる趣味の世界に遊びたい。しかし、目を覆ってはならないのだ。国民が監視の目を捨てたら、政治は悪化の途をひた走る。それが近代政治史の…政治が徳とともに在った昔を除き…、近代政治史の法則だ。どうせ何も変わらないと諦めてはならない。まだ成熟していない日本の民主主義は、国民が諦めたとき完全に消滅する。
ラジオで国会中継を聞いていると、総理の答弁、10秒くらいの空白がある。終わったのかと思うと再開され、また別の答弁が続く。これは何か。答弁原稿を整理しているのか。奇異な観がある。(黄鶴仙人)

19年12月期一般質問④

もみぢ「市バスの高齢者無料制度の見直しというのは、今の高槻市政の大きな問題の一つと思うけど、意外に質問者が少ないわね」
御島媼「そうじゃな」
もみぢ「質問しない会派というのは、見直しに反対しない会派…ということかしら」
御島媼「そうとも読めるな」
もみぢ「日頃弱者の味方だとか、老人福祉を旗印に掲げているなら、この見直しに反対だわよね」
御島媼「そうでなければ」
もみぢ「公明党は『高齢社会に向けた新たな交通体系づくり』を公約に掲げているけど」
御島媼「『新たな体系』と高齢者無料制度の対象を70歳から75歳に変更することと、合致するじゃろうか。そぐわないような気がする」
もみぢ「市長を支援するとか、支持するとかの発言がこの12月の一般質問にもあったけど、」
御島媼「議会は市長の監視をするのが本務じゃ。議会は地方公共団体の意思を決定する機関じゃが、市長は執行機関に過ぎない。執行機関に間違いがないように監視するのが議会じゃ。アタマから市長支援では、地方自治法上、議会の存在意義がない。判っておるのかなぁ…」
もみぢ「日頃市長の応援をしておいて、自会派の政策に対して予算を配分してもらう、そんな関係になってもらっては困る!」
御島媼「そうそう」
もみぢ「だいたい、何のために議員になったのかしらね」
御島媼「選挙のときだけ駅前でがんばれば、4年間寝て暮らせるから」
もみぢ「あはは。でもそうね、一年生議員の中身のある質問の少ないこと」
御島媼「いや、昔の選挙ではな、一年生議員といってもすごかったぞよ。力のある人が満を持して当選し、議員になるやいなや水を得た魚のごとく、質問に次ぐ質問。45分の制限時間をいつもオーバー」
もみぢ「誰の話?」
御島媼「一年生議員の比較のグラフを見れば判るじゃろ」
もみぢ「質問しない議員、質問できない議員というのは、結局力がないのね」
御島媼「自分の鏡をもっていないのじゃ。自分なりの鏡を内に持っておれば、いろんな政策案をそこに写したとき、修正すべき点が自ずと浮かぶ。社会問題に接したときもそうじゃ。その根源、対策がたちどころに出てくる」
もみぢ「鏡?」
御島媼「それは、人を愛する心…自分を愛する心ではないぞよ…と、学識によって造られる。必ずしも年齢ではない」
もみぢ「遠矢家永子議員、議員になる前の自分の活動をベースに置いた質問をしてたね」
御島媼「うん、ああいう体験に基づいた問題意識も善い。単にインターネットで得た話題をネタにするのと、訳が違う」
もみぢ「ママの、その他の議員の印象は?」
御島媼「強田純子議員の、担任のいないクラスには驚いたなぁ。師なくして何の教育ぞ。それでも学びの場じゃろうか」
もみぢ「今度はママが怒ってる。うふふ」
御島媼「いやさ、妾にも情はある。質問を聞いて市がかかえる問題を知るのは味わいがある。良い質問をしてくれたと、嬉しくもなる。問題意識を共有するのは楽しい。傍聴の醍醐味じゃな」
もみぢ「その質問の鋭さが、1人1人違うけどね」
御島媼「山口重雄議員の、芥川山城などの話も好感がもてたなぁ。地域代表という議員のありかた、これも議員の姿の一つじゃな」
もみぢ「そうね」
御島媼「映画も小説もそうじゃが、初めの3分でわかるなぁ。全体の実り具合が」
もみぢ「800年も生きていればね…ふふふ」(この項、終り)

19年12月期一般質問③

もみぢ(憤然として)「だけどおかしい。第一に、民営化すれば直ちに経営が効率化されるというのは幻想よ。官は悪・民は善と決めつける硬直した思想が問題よ」
御島媼「ふむ」
もみぢ「民営化即正義?違うのよ。民だって経営の下手な会社はいくらでもあるし、官でも少ない予算で立派に業績を挙げている役所もあるのよ。常に民が正しいのであれば倒産する会社などないはずじゃない?」
御島媼「そのとおり」
もみぢ「民営化するってことは、市は『私は経営が下手ですから民間にお任せします』と言うに等しいのよ。経営責任を放棄するのね」
御島媼「そもそも、高槻市のバスは赤字を出したことなどない」
もみぢ「それでも民営化が必要?常に黒字なら、効率化を要請すべき状態ではないってことね。病気でもないのになぜ医者が必要なのか、不思議~」
御島媼「そうそう。みらい創生審議会では市バスは生産性が低いとか給与水準が高いとかの意見があったなぁ」
もみぢ「それを固定概念と言うのよ。そもそも生産性を計測したデータがあるの?民間で生産性が高いという、その裏にどのような悲惨な労働があるか、わかってるのかしら。それに、給料が高くて何が悪いの?JALの運転手は給料は高くてもいい、バスの運転手は高くてはいけない?なんで?」
御島媼「観念的な発言は有害無益じゃな」
もみぢ「第二に、民営化にしろ無料制度の見直しにしろ、それは審議会の答申でしょ。審議会というのは市から独立した委員会の形をとっているけど、その答申なんて、しょせん役所の意見なのよ」
御島媼「ふむ」
もみぢ「役所にとって都合のよい人を役所が選び、その人たちが役所の作った原稿をうんうんとうなずいて承認した、それが答申なのよ。主権在民の、民に選挙で選ばれた議員が言う意見ではないのよ。議会と審議会は重みがまったく違う。だから審議会の答申を金科玉条として、これに議会がひれ伏して従う必要はないのよ。宇佐神宮のご託宣じゃあるまいし。役所の意見に議会が従うようでは、民主主義は死んだと言うべきね」
御島媼「ふむふむ」
もみぢ「審議会を隠れ蓑にして役所の意見をもぐり込ませるのも常套手段だし」
御島媼「そうじゃな。だけど、ちょっと待った。あのな、まだ答申は出ていないのよ。自動車運送事業審議会の答申は、川口議員の質問から2月10日とわかったが、社会福祉審議会の高齢者福祉専門分科会のほうは、いつかわからん。ともかく、12月議会の段階ではまだ出ていないのよ」
もみぢ「答申も出ていないのに、見直し案が先に出される?それも順番が逆ね」
御島媼「川口議員の質問もまさに、そこんところ」
もみぢ(市議会のHPで議会中継を聞く)「どれどれ…、議事を聞いてみると、そうね」
御島媼「じゃろ?」
もみぢ「市民への説明会も予定してないのね」
御島媼「老人団体には、説明会があるようじゃが」
もみぢ「高齢者乗車証といっても、老人だけの問題じゃないのよ。今の老人福祉政策は若い人にとって明日必要な政策でもあるのよ」
御島媼「無料制度維持と市は言うが、実態は福祉の後退じゃな。75歳から無料というふうに変更するのは、70歳から74歳までの人にとっては移動手段としての足の確保がなくなる」
もみぢ「現状どおりで変えないのなら、制度の維持でしょうけど、74歳までの人にとっては制度がなくなるんだから、維持なんて言わないでほしい」
御島媼「議会でも審議会でも経営状態の話ばっかりで、福祉の面からの議論がないなあ」
もみぢ「自動車運送審議会は福祉を議論する場ではない、なんて答弁があったけど」
御島媼「それはおかしい」
もみぢ「うん」
御島媼「自動車運送事業は公共の福祉を増進するように運営することが、経営の基本じゃ。条例に書いてある」
もみぢ「条例?」
御島媼「高槻市自動車運送事業の設置等に関する条例、じゃよ。そして自動車運送審議会は『事業の経営の改善に関する重要事項について審議する』とあるが、その根っこには公共の福祉のために何をするかという哲学がないといかん」
もみぢ「じゃ、いま市民の足となって活用されているバスを民営化するなんて…」
御島媼「発想の瞬間から条例の趣旨に反しているわなぁ。ともかく福祉の観点からの議論が何もない。思想の貧しさ、ここに極まる。困ったもんじゃ。市民にとっての文化・教養の拠点・衣食の楽しみのゾーン、それらと自宅を結ぶ交通システム、それらの全体像が何如にあるべきか、そんな議論を聞きたかった」
もみぢ「川口議員、『市長の答弁』を求めていたわね」
御島媼「役所のシステムとしては、担当部長がいるのだから部長が答えればいいのだろう…けどな」
もみぢ「市長、傲慢な感じは拭えないわね。少数派の若い無所属議員には答えないって感じ。議員に答えないってことは市民に答えないということなのよ。あ~あ、議会って聞いて楽しい場所じゃないわね。たったひとつあるとすれば、主流派とは言えない若い議員の発言から将来の夢を感じ取ることが、ときどきあること」
御島媼「ならば、座ってるだけの議員は…」
もみぢ「無意味な存在。不要」(続く)

19年12月期一般質問②

御島媼「新年になったなぁ」
もみぢ「あら、遅いお出まし。もうとっくに松はとれたわよ」
御島媼「新年10日までは山の神も骨休めなのじゃ。元日から今日まで、山で仕事をしたり森を飛び回ったりすると罰が下る」
もみぢ「その風習も地方によって違うでしょ」
御島媼「で、何の話をしておったかいな?」
もみぢ「まったくもう!餅を食べたら去年のことは忘れる、どこかの政治家の言うとおりね!市バス高齢者無料制度の見直しの話なの。市は情報を市民に見せずこっそり条例化を図ろうって、卑怯な話だわよね。アベ内閣にコケにされ、高槻市に蔑(ないがし)ろにされ、高槻市民はなんと不幸な人たちなのか…」
御島媼「政治に関心がなくて何事にも忘れっぽい国民・市民じゃから、テキトーな言葉でその場を取りつくろっておけばよろしいって、ね」
もみぢ「考える市民より考えない市民のほうが圧倒的に多い」
御島媼「孔子も言っておる。民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず(論語・泰伯)」
もみぢ「政策に従わせることはできるけど、政策の意義や目的を国民に理解させるのは難しい…」
御島媼「六韜にもあるぞよ。民は牛馬の如し(武韜・三疑)」
もみぢ「食事を十分に与えておけば、それでいい…」
御島媼「低次元のもので満足させておけばよいのじゃ」
もみぢ「高木議員が発言してたわね。条例を改正してその後に周知期間を設けるのは順番が逆だ、情報を市民に与えて周知させた後に審議し、条例改正を行うのがスジだろうって」
御島媼「花より先に実のなるような、理屈に合わない不自然を、どうかしないでいてください…って、思うけどな、周知させたら市民が問題意識に目覚めて、反対の輪が広がるからなぁ。市としては、そりゃ困る」
もみぢ「誰も知らないうちに、さっさと条例改正してしまおうって、ねぇ。この前①で話題にしたけど」
御島媼「ふぅ…」
もみぢ「川口議員は別のポイントを追求してたわ。『審議会での審議をふまえ』って市は言うけど、その審議会は敬老パス見直しに賛成とは誰も言ってない、審議状況を踏まえたら見直すという結論にはならないって」
御島媼「結論を枉(ま)げる…とは、このことじゃ」
もみぢ「正道を曲げて人を惨禍に追いやるなんて…、政治のやること?」
御島媼「いい加減なことをやっても、反対の声を上げる国民・市民は少ないと…」
もみぢ「見くびられているのね」
御島媼「この程度の国民・市民にはこの程度の政治でよろしい、とな。繰り言になるが」
もみぢ「哀しいことね。高木議員は質問の最後に糾したわね。市バスは民営化を目指すのかと」
御島媼「そう」
もみぢ「『経営形態のありかたと高齢者無料制度の見直しは別の課題であります』」
御島媼「それが答弁じゃったな」
もみぢ「民営化の方向がはっきり見えているわね」
御島媼「市バスの民営化については、2年前から流れが変わったようじゃな」
もみぢ「そう?」
御島媼「昔はな…」
もみぢ「御年800歳のママが言う『むかし』って、1000年前?」
御島媼「まさか、な。1000年前は牛車が主流でな、車の後ろの簾の下から唐衣の裾をちょっと見せて男の気を引いて、な…、いや、そんなことはどうでもよい。平成24年6月27日、太田議員の質問に対し、徳田忠昭自動車運送事業管理者は答弁の中で…」
もみぢ「うんうん」
御島媼「『持続可能な直営方式による路線維持型の経営形態を続けていきたい』と言っておる」
もみぢ「直営方式ね」
御島媼「また平成25年3月6日、市民連合議員団代表山口重雄議員の代表質問に対し、濱田剛史市長は『市民に愛される市営バスを目指してまいります』と答弁をしたのじゃ」
もみぢ「民営化など念頭にないという発言だったのね、6年前は」
御島媼「ところが、平成28年に高槻市みらい創生審議会というのが作られてな。市の将来をいろいろ考える中で、バス事業も経営形態を検討したらどうかという意見があり、同年12月に出された“『高槻市みらいのための経営革新』に向けた骨太方針について”という答申の中で…、こらこら、寝ちゃだめ」
もみぢ「…お役所言葉が並ぶと、眠くなるぅ…」
御島媼「答申の中で、『民営化について検討すべきである』と書かれちゃったのよ(同・7ページ)」
もみぢ「市営が民営になる方向指示器を出したってわけね」
御島媼「そうじゃな」
もみぢ「それ以後、答弁が変わった?」
御島媼「平成29年3月7日大阪維新の会・市政刷新議員団代表吉田稔弘議員の代表質問に対し『みらい創生審議会から示された答申も踏まえ、経営課題の解決に積極的に取り組むとともに、あらゆる方向から予断を持つことなく検討する必要がある』とかね」
もみぢ「うん」
御島媼「令和元年9月25日、岩為俊議員の一般質問に対する西岡博史自動車運送事業管理者の答弁では『未来を見据えた事業運営に努めていく』なんてね。はっきり民営化とは言わないけれど、宮仕えをした者には舵をきったことが明確にわかるぞよ」

1年生議員の比較

9月議会の議事録が公表されたので、各議員の質疑・質問件数を調べて6月議会のデータに加え、グラフにして「1 市議会という舞台で 第一部 質疑・質問数から見た市政への貢献度」に掲げた。それから一年生議員の成績を確認してみた。
なんと、本年4月に初当選した議員の過去半年間の平均値は3.3件。単純に2倍すると6.6件。このままいくと2007年以降の一年生議員で最低の値になりそうだ。議席に座っているだけの市会議員は要らない。

19年12月期一般質問①

御島媼「読めたぞよ。ヒヒヒヒ」
もみぢ「いきなり何よ!気持ち悪い」
御島媼「市バスのな、敬老パス見直しのための市の作戦が、じゃ」
もみぢ「へぇ~」
御島媼「そなたなら、どうする?」
もみぢ「どうもこうも、そんなことより私は昼ご飯、何食べるか、そっちの方で頭がいっぱいなの。お年寄りのことは、ど~でもいいの、本音を言えばね」
御島媼「ほほほ。正直じゃな」
もみぢ「若い人は、ほとんど皆そうなんじゃないの?でもまあ、無料制度の見直しは既定路線のようね。見直しって、あのぉ、いま70歳以上の人は無料っていうのが75歳以上は無料ってことになるのね?それと、70歳から74歳までは1回100円だとか」
御島媼「そうらしい」
もみぢ「高槻市は南北に長いから、たとえば柱本の人が高槻駅まで行って、乗り換えて摂津峡に行くとすると、往復400円。400円って…、大きなトンカツが2枚買える!それ、困る」
御島媼「これから言うことは、例えば、の話じゃよ。実際そうだったという報告ではないぞ」
もみぢ「うん」
御島媼「まずな、条例案はスムーズに議会を通す必要がある」
もみぢ「そうね」
御島媼「そのためには、まず議会に与党を作っておかねば」
もみぢ「代表質問で『私たちは市長の支援者です』なんてことを言った会派があったわね、いつだったか」
御島媼「そうそう。それに加えて、多数派の会派、あんまり物事を深く考えない若年の会派、そういうところに新条例の腹案を示し、予め内諾を得ておく」
もみぢ「うん」
御島媼「そうやって過半数の議員を取り込んでおく。ここまでは水面下の動きじゃ」
もみぢ「水面下?こっそり内密に?」
御島媼「その後は電光石火。一応形式は踏まねば…、つまり市民の意見を聞いた形にな、しなければならないから、敬老パス見直しの案をどこかの審議会で審議したことにしておく」
もみぢ「形だけ?」
御島媼「まあな。どうせ市にいろんな審議会があるなんて、市民は知らないから、目立たないじゃろ」
もみぢ「ふふふ」
御島媼「そうして審議会での意見を踏まえて、というお墨付きを得て、条例案を議会にかける」
もみぢ「議会では多数派を作っているから、少数派が反対しても大勢に影響なしってわけね」
御島媼「そう。その後、市民は条例を知ることになる。成立してしまった条例だから市民は従うしかない」
もみぢ「それ、順番が逆じゃないの?」
御島媼「と、高木議員や川口議員、中村玲子議員が12月17日、つまり昨日の一般質問の中で言っておった」
もみぢ「当然の意見だわね」
御島媼「しかしな、15年前は、市民に説明する時間を十分取ったから反対運動が盛り上がった。それで否決された。その失敗を繰り返してはいかん」
もみぢ「失敗?施策の方針案を市民に説明する、その後、市民の意見が反映された条例を議会にかける、これが民主主義のプロセスでしょう。デュープロセスを知らないの」
御島媼「知らないわけではなかろうが、それでは市の思うとおりに物事が運ばない」
もみぢ「市の思うとおり?市民の思うとおりではなく?民主主義はどこに行ったの?」
御島媼「今の日本に民主主義があるなんて幻想じゃよ。国レベルでも地方レベルでも」
もみぢ「…」
御島媼「市役所のHPのどこを探しても、市バス高齢者無料パス見直し案の情報はない」
もみぢ「どんなふうに変わるのか、市民一般には知らせないのね」
御島媼「いや、12月4日の福祉企業委員会協議会で説明されたらしいから、そこは市民の代表である議員が9人いるから、市民に知らせたことになっておる」
もみぢ「詭弁だわね」
御島媼「とにかく、情報は広めずして混乱を避け、多数派を取り込んだ議会ですみやかに条例を通す、それも3年先まで選挙はない、という今の時期にな」
もみぢ「アンフェア!話の中身も手続きも普通じゃない。市民はここまで馬鹿にされて、よく黙っているわね」
御島媼「馬鹿にされていることすら、今は知らないからなぁ」

市営バス高齢者無料乗車証③

○福祉の観点から
経営上の観点から検討するのではなく、福祉如何にあるべきかという議論の収束時の姿としてバス無料制度のかたちを打ち出すべきだ。先に述べたように、福祉の充実に向けた取組の中でバス代有料化を言うなんてブラックユーモアだ。健康・安全・文化教養・社会交流、そういった福祉拠点を結ぶ移動手段の確保としての市バスなのだ。有料化による移動の足かせは、福祉政策としてはたして妥当なのか。甚だ疑問である。若い人にとっても、現在の高齢者の姿は明日の自分の姿だ。だからこそ、現在及び明日の、トータルとしての高齢者福祉の世界を目に見えるものにしたうえで、その中でのバスの在り方を示さねばならない。福祉のための歳出ならば、バス部門だけが赤字でもいいではないか。
○受益者負担
あるブログに「年寄りはタダで乗って、座っているのに、若い自分は金を払い、立って乗っている。けしからん」というのがあった。たしかに、今この瞬間で見ればそのとおりだ。しかし高齢者とて昔は有料で何十年も乗っていた。税金だって住民税や固定資産税を払い続け、長い間市に貢献し市バスを支えてきた。そしていまバスが無料になった。生涯賃金ならぬ生涯負担で考えれば、若い時期にはいろいろ払い続け高齢時期にバスが無料になる、それは例えば運動場一周のトラックの第3コーナーまでは全力で走り、それを回ればゴールまで車に乗る、その制度が万人に適用されるならば、第一コーナーの若い人もゴール前の高齢者も平等で公平ではないか。こういう形の受益者負担もあってよい。
また、今現在も市税を払っていて、その税金の一部がバス事業に補助されているのだから、高齢者は間接的にバス代を負担しているとも言える。決してタダ乗りではないのだ。上流から見て受益者負担というのなら、下流から見て負担者に相応の益がもたらされてもいいだろう。
○活性化の火が消える
有料化によって高齢者が乗らなくなる、それは他市で実証済みだ。そうすると、乗客全体の数が減り、バスの存在感が小さくなり、沿線の活性化に水をさす事にならないか。バス路線の減が更なる乗客減を誘う事にならないか。高齢者でも消費の一端を支えている。高齢者の経済力で社会が回っている部分もある。
○水道料返せ
これは感情論である。バスが赤字のため(実は赤字ではない。赤字になった年度もない)料金を上げるのなら、黒字の水道代は返せ。同じ市の団体ではないか。…と、言いたいのだ。(この項終わり)(黄鶴仙人)

市営バス高齢者無料乗車証②

○今年は…
今年の市長施政方針演説も、市バスに関して言及があった。まず(1)都市機能の充実に向けた取組の中で「持続可能で自立した運営に向け、令和3年度を始期とする時期経営計画の策定に取り組む」とし、(4)健康・福祉の充実に向けた取組の中で「無料乗車補助制度については、今後の在り方を見直す」とされている。これを承けて、市では社会福祉審議会の高齢者福祉専門部会などで審議が続けられているのだが、話題の中心はやはり高齢者無料乗車制度である。それを廃止する、有料化する、と。
だが、待てよ、高齢者無料制度の廃止が健康福祉の充実になるのか?逆でしょ、福祉の後退じゃないの?と思うけど、それはひとまず措いておこう。
いま、バスの乗車券はIC化されている。だから、誰がいつ、どこからどこまで乗ったか、というデータが蓄積されている。誰もがこの客観的なデータを基に何かの検討を始めることができる。そのデータによると、2018年10月から2019年6月までの延べ利用者数は約1350万人。そのうち高齢者は450万人。ざっと34%だ。そして、その高齢者が仮に料金を払って乗ったとすると、市バスは約10億円の増収になっていたそうだ。年間に換算すると13億円。これを見れば、無料制度なかりせば…と、市バスの経理担当者が思うのも無理はない。見直しの議論もその当たりが発端だろうと察しがつく。
○経営上の観点からの問題
だが、この発想は安易すぎないか。有料化にすれば高齢者の乗車数派激減するのが目に見えている。13億円は捕らぬ狸の皮算用だ。それよりも、市バス経営悪化(乃至は売上げ漸減)の根本的な原因は他にあるのに対策として高齢者無料制度だけに目を向けるような愚を犯していないだろうか。設備・装備、人員、路線、管理システムその他、経営にかかわる要素のすべてをチェックした上での無料制度の見直しだと説明できなければ、とても受け入れられないだろう。
問題はまだある。(続く)   (黄鶴仙人)

市営バス高齢者無料乗車証①

○まえがき
思えば一週間前の水曜日、11月20日がその記念日だったのだ。1972年(昭和47年)のその日、経営難に悩む高槻市営バスの値上げの副産物として、70歳以上の高齢者の無料乗車制度が始まった。以来47年、連綿としてこの制度が生き続けている。
だが、この47年を振り返ってみると、その道は必ずしも平坦なものではなかったようだ。2005年(平成17年)3月、当時の奥本市長は2005年度の施政方針演説の中で、
「自動車運送事業を初めとする公営企業につきましては、公営企業審議会の答申を踏まえまして、少子高齢化や人口減少に対応した経営のあり方を検討し、経営の健全化に向けた計画を策定いたします。」
と、述べて、市営バスの高齢者無料乗車制度について、1回乗車につき100円、1か月1,000円のシルバーパスの導入という見直し案を示した。
それからが大変。市内に轟然と反対運動が起こり、反対の署名が21,133名分集まるやら、それを添えた無料制度存続を求める請願書が出されるやら、の動きになった。
請願書の内容は、「①高齢者市バス無料パスの有料化をやめてください。②無料乗車証の現行70歳以上を65歳以上にしてください。③高齢者の民間バス利用についても補助策を検討してください」などで、この請願書は同年6月21日、福祉企業委員会に付託され、審議の段階で②以下が取り下げられ①だけの請願になったが、記名投票の結果、賛成3反対5で不採択となった。
しかし、市バス有料化を含む議案第66号「高槻市自動車運送事業条例中一部改正」については同日、議論の末に記名投票が行われ、賛成者 岡田みどり委員、中浜 実委員、岩 為俊委員、根来勝利委員の4人、反対者 松川泰樹委員、小西弘泰委員、川口雅夫委員、大川 肇委員の4人で、可否同数となり、委員長裁決の結果、否決された。また関連する議案第67号補正予算修正案も可否同数で同じく委員長裁決の結果、可決された。
この日の福祉企業委員会は午前9時59分開議・午後6時17分散会と記録にあり、延々7時間以上の議論が続いている。テーマがテーマではあるが、その熱心さは現今の委員会とだいぶ違う。
そして6月29日の本会議の日を迎えた。委員会で否決された議案第66号はここでは議論もなく淡々と記名投票が行われ、原案に賛成する者・白票17票(吉田稔弘議員、橋本紀子議員、杉本 久議員、山口重雄議員、岡田みどり議員、三本 登議員、久保 隆議員、中浜 実議員、角 芳春議員、岩 為俊議員、岡本 茂議員、池下節夫議員、根来勝利議員、小野貞雄議員、久保隆夫議員、段野啓三議員、須磨 章議員)、原案に反対する者・青票18票(灰垣和美議員、奥田美智子議員、野々上 愛議員、松川泰樹議員、森田充二議員、林 啓二議員、藤田頼夫議員、勝原和久議員、橋本恵美子議員、中村玲子議員、二木洋子議員、小西弘泰議員、川口雅夫議員、福井浩二議員、大川 肇議員、岡本嗣郎議員、源久忠仁議員、新家末吉議員)という結果になった。この議案に関連する議案第67号補正予算修正案も1票差で可決となった。
なんとドラマティックな展開ではないか。本会議の終わったのは午後6時11分。気象統計によると議場の外は梅雨空。小雨が降っていた。(黄鶴仙人)