敬老パス制度改悪⑤…イッソウ率

代表質問の翌日、2020年3月5日は議案質疑の日だった。
議案第36号「高槻市自動車運送事業条例中一部改正について」で、まず質問に立ったのは三井泰之議員。会計の専門家たる姿がちらつく質問だったが、無料乗車制度に関する過去の経緯や運賃収入の実態、財政検証など、初めの提案理由説明の補完を促す趣があった。同議員は、高齢者無料制度の存続を要望しつつ、財政事情を考えれば一定の利用者負担は容認せざるを得ないという姿勢を示した。
質問の中に「イッソウ率」という専門用語があった。イッソウ? 何のことやら…。一掃か逸走か逸送か。走行クレーンが逸走するとは、本来停止しなければならないのに強風にあおられるなどして運転者の意図に反して走り出すことをいうが、バスの逸走・・・?むむ。理解不能。分かりにくい言葉を使う議会だ。答えは昨年12月議会の議事録にあった。逸走だ。有料化によって乗客が減少する割合のことだ。ちなみに手元の国語辞典にも漢和辞典にもその語はない。この専門用語は以後の質疑にも出てきたが、ともかく聴く人の立場に立って話してほしいものだ。
次に質問に立った北岡隆浩議員は、主としてその逸走率を問題にした。近隣の公営企業の有料化後の状況、逸走率40%の場合の経営見通し、審議会ではさまざまなケースのシミュレーションが提示されたがなぜ市議会には逸走率20%のケースしか示さないのかなどを質した。正面から答えたと思える答弁はなかったが、そのことが逆に、「市にとって都合のよい数字だけ出したのではないか・将来赤字になったとき更なる制度変更の口実にする考えがあるのではないか」との同議員の指摘をまっとうなものと感じさせる結果になった。同議員の質問は、合理的な根拠なく逸走率20%とした不自然さ、将来予測の妥当性・合理性のなさを浮き彫りにするのに十分な効果を示した。
高木隆太議員は、民生委員など反対意見のないところには説明し、激しい反論が予想される敬老パスを守る会には説明を拒否する市の姿勢の異常さ、有料化の影響を見極めた上で見直しの是非を判断するべきであること、逸走率20%の見込みの甘さ、他の事業者のケースであるが逸走率50%を見込んでいたが実際は80%だったこと、ICカード代を含め1億5千万円かけて有料化する意義は何かなどを突いた。論理明快でわかりやすく実のある同議員の質問は、一~二年生議員の範たるべきものだ。市の民営化の意図を明らかにしたのは先に述べたとおりである。(続く)