一般質問⑤

わかば「今回は、若い議員の質問、初質問が多かったわね」
御島媼「それについては率直に言いますぞ」
わかば「はい、どうぞ」
御島媼「一般質問が情報公開の場になっているのはよろしい。地震や台風でバス停  20カ所が被災し、復旧に8千万円かかる、っていう話を議会のやりとりで知るとか、ね。しかし、質問時間が短いのは何たることか。勉強不足であることを自ら示しておる。勉強すれば言いたいことも増えるだろうに」
わかば「そうね」
御島媼「質問の中に人としての優しさや温かみを感じないぞよ。心を打つもの、迫ってくるものがない。もっと言うと・・・、誰がとは言わぬが、質問のレベルが低い。中学校のPTAの部会レベルじゃな。質問のレベルが低いから答えのレベルも低い。小さく撃てば小さく響くのじゃが、こういう議会は傍聴しようという意欲が湧かないねぇ。法律を読めばわかる質問なぞ、するなよと言いたい」
わかば「うふふ」
御島媼「~についての見解をお答えください、~についてのデータを示せ、なんて質問が多いけど、まずは自分で勉強すべきじゃないかな?」
わかば「1問目で争点を明らかにする意味があるんじゃない?」
御島媼「時間の無駄じゃ。1問目から議論に入るべし」
わかば「中村議員みたいにね」
御島媼「河川管理とか府や国の仕事について質問する議員もおったなぁ。市の仕事を糺すのが市会議員だろうに」
わかば「あ、代表質問でも、他市の状況を聞いてた人がいたっ」
御島媼「それこそ、答える立場にはないぞえ。民間的発想を取り入れるべしという人がいたが、公と民間は違うのじゃ。入るを測り出るを制すのが私経済じゃが、公の財政は出を計り入るを制すのじゃ。できるだけ経済合理性を図るのは当然じゃが、そこに収まりきれない、というか、儲かる仕事ではないので民間ではやらない、それを国や市が行う、そんな基本的な行政の役割はわかっていて欲しい」
わかば「起きたばっかりで難しい話、わからへん。もう少し、わかりやすく・・・」
御島媼「いや、現代の行政・政治はいろんな要素が複雑にからみあっておる。単純化してわかりやすく、とはいかないものじゃ。市民の方からわかるように努力するほかない。判りやすい説明というのは、大概、間違いじゃ」
わかば「わかりやすい説明で支持を得ている人もいるわね」
御島媼「騙されておる市民が気の毒じゃ。もっとも、市民の側に騙されている自覚はないがな・・・。ともかく、一般質問はな、観念的なものではだめ。笹内議員のように市民生活相談とか市民のニーズに基づくものでないと。若い人は、市民ニーズをどうやって掴んでいるのかなぁ。そもそも、何を目標に市議会議員になったのか」
わかば「ママはずいぶん悲観的だけど、まだスタートしたばかりなのよ。これからの成長を見守るべきだと思う」
御島媼「ほほほ。人皆仏性あり。人は皆、変化や成長の可能性あり、かな?」
わかば「そうよ。人間に潜む成長の可能性って、すごいよ」
御島媼「市民相談を受けたり、行政の現状を勉強する中で磨かれてくるかもしれないなぁ。その成長の過程を一般質問の内容の深化の具合から読み取っていくとするか」
わかば「そうね。ところで今日はもう8月も29日。来週は9月議会が始まるのよ。一ヶ月もしないうちに次の一般質問よ」
御島媼「楽しみじゃな。誰がどう質問を作るか、作らないか」(この項終わり)

一般質問④

御島媼「して、お隣の庵主は化ける術を覚えたのかや」
わかば「それが、そんなに簡単じゃないらしいのよ」
御島媼「ほぉ」
わかば「まず座学がね、一般教養課程として心理学概論・天文学・気象学・表面地質学・岩盤工学・植物行動学・量子力学、専門課程に入って基礎化学・応用化学Ⅰ・・・かがく、じゃなくて、ばけがく、ね・・・、応用化学Ⅱ・人間心理学・動物心理学・分子生物学・・・」
御島媼「もういい、もういい。・・・ん?植物に行動があるのかや?」
わかば「時間軸を長く取れば、動いてるのよ。全ての植物が。蔓とか根とか」
御島媼「さようか」
わかば「おまけに修行中は禁酒禁煙禁色禁賭、毎朝毎晩斎戒沐浴でんぐり返し五百回、体内のアクをすべて出して体力錬成。これがね、狸だったらできるはず、ってなもんじゃなくて、狸でも優秀な子でなきゃ、卒業はおろか入学すらできないんだって。いわんや人間においておや。お隣さん、禁煙はともかく他は守られへんと三日で諦めて帰ろうとしていて、狸の穴の2丁目でばったり。私と」
御島媼「そういう次第か」
わかば「うん。それで、今度はママの番ね。聞きごたえのある話、あった?」
御島媼「やはり中村議員じゃな。国民健康保険料の減免制度は、代表質問と同じ標題じゃが、切り口が違う。累積黒字を活用すべきとか、な。考えてみれば、国民健康保険料には逆進性がある。所得がなくても均等割とか、年収2千万の人も7百万の人も同じ保険料であるとか。自営業者は見かけ上収入が少ないから保険料も少なくて済むし。こりゃ、おかしいぞよ。中村議員は『市独自の減免制度を設けよ、現に厚木市では実施している・・・』と、説得力もある」
わかば「あくまで市民側に立った質問ね」
御島媼「私はこう考えるが、市の見解を問う、と、ちゃんと議論になっておる」
わかば「答えが物足りないけどね」
御島媼「何につけても市民に寄り添う市の姿を、彼女はイメージとして持っておるようじゃ」
わかば「そうありたいものね。で、ちょっと気になったけど、録画映像では、中村議員の質問が終わったときに誰かが不規則発言をしているように聞こえたけど・・・」
御島媼「10秒ほど時間オーバーで、そのヤジかも。品のない!」
わかば「で、他には?」
御島媼「平田議員が医療経済学という言葉を使って予防医療の話をしておったがなぁ・・・」
わかば「なぜ首をかしげてるの?」
御島媼「予防医療を続けろという意見なのか、不経済じゃから止めよというのか、よく判らなかったのよ。予防医療は老人の死を先延ばしにして負担を先送りするだけで医療費総額は増えるのが共通認識・・・と、はっきり聞こえたのじゃが」
わかば「予防医療に意義はない、と?」
御島媼「人間の生命を何と心得るのか。老人に冷たいねぇ。死を先延ばしにする、そこに意義があるのじゃがなぁ。もらった時間で楽しく、何かができる」
わかば「閑居して不善をなす・・・」
御島媼「こらこら。年寄りは早く死ね、まして800年も生きておるなど許されぬ・・・と、聞こえて、な。ちょっと腹が立ったのよ」
わかば「そうじゃなくて、予防医療が医療費削減につながると頭から信じ込むのは間違っている、学会の常識はそうじゃない、予防医療を進めるのなら、それが医療費総額に及ぼす影響についての証拠を基にした政策を展開すべき、と言ってるの」
御島媼「ふむふむ」
わかば「そして、医療費総額が増えるのは今や常識だから、他の方法で医療費抑制を図るべき、と」
御島媼「他の、何で?」
わかば「具体的な提案はなかったけど、長期的視点に立って今後意見を言うって」
御島媼「具体策は役所に丸投げじゃあなぁ・・・。政治家は評論家じゃないぞよ。政策立案が仕事じゃよ」
わかば「そうね」
御島媼「『エビデンスに基づく政策を』と言うのなら、予防医療が医療費抑制につながらない、むしろ総額では増えるということを、もっと詳しく、数字で示してほしかったなぁ。他人には根拠を求め、自説の根拠は示さない、これではいかん」

一般質問③

御島媼「わかば、どこに行っておった?三日ほど姿を見せなんだが」
わかば「隣の方丈の主が行方不明になってね、捜しに行ってたのよ。森の中まで」
御島媼「で?」
わかば「いたいた。タヌキの穴の中に。四日前の夜にね、子狸に化け方を教えろとか頼んでいたけど、それ以来姿が見えず」
御島媼「おや」
わかば「子狸が言うには、教師の免許をボクは持ってないので、付いてこい、先生を紹介するから、と」
御島媼「それで森の中へ・・・?一体何に化けるつもりだったのか・・・」
わかば「市長に化けて、議会で答弁するんだと」
御島媼「それはいい!あのな、『答える立場にない』ってあの発言」
わかば「この前話題にしたわよ。もう終わり」
御島媼「いや、どうにも虫が治まらぬ。三島救命救急センターに関して、確かに市はセンターの当事者ではないが、市長は法人の理事長じゃ。運営についての責任がある。市として救急体制を確保するという市民に対する責任もある」
わかば「珍しく興奮してるわね」
御島媼「いや、冷静じゃ。・・・よって、少なくとも運営に関する基本的考え方について、在り方について、市長は述べるべき。門前払いは、あってはならぬ。前回も言うたが、質問に答えないのは、その市議を通じて背後の市民の意思を無視したことになる。」
わかば「議員は市民の代表だもんね」
御島媼「税金を払う市民を無視する、これはいかん。市民は税金を払うのと引き換えにその税金の使い途の端々に至るまで監視する権利をもっておる。その権利の行使を、市長が邪魔していいものか」
わかば「なるほどね」
御島媼「古来、年貢を納める民を、お上は大事にしておった。百姓と書いて『おおみたから』と読ませるくらいじゃ」
わかば「ふんふん」
御島媼「わかば!態度が悪い!悪代官などもこのごろのドラマの話で、実際はみんな真面目に民を慈しんでおったものじゃった。まあ、付け届けは、盆暮れにあったがなぁ」
わかば「治水の碑は、あちこちにあるわね」
御島媼「然り。堤防の修理なども藩の力がないとできぬ」
わかば「ところでね、話を6月議会の一般質問に戻すけど、高木議員がとりあげた放射線副読本ね」
御島媼「日本の平常時の基準と外国の緊急時の許容値を横並びに示した、あれかなぁ」
わかば「そうそう」
御島媼「あれは、政府の宣伝ビラみたいものじゃ。放射線について科学的知識を与えるのはよいが、特定の色のついた宣伝はいかん。風評被害を防ごうという態度はよろしいが、いたずらに安全思想を植え付けるのは間違い」
わかば「そういうものは配布すべきではない、という・・・」
御島媼「高木議員の主張のとおりじゃ。この話を聞きながら、妾は思ったぞな。高槻教育は死んだ、と。昔なら文科省の言うとおりには、しなかったものじゃ」

一般質問②

わかば「三島救命救急センター、もう簡単にセンターって表現するけどね、いまは」
御島媼「ほい」
わかば「北岡議員のことばをそのまま借りるわ。『私が聞いたところでは、資金難を訴えた医師に対して、浜田市長は、辞めろ、と退職を促した、それをきっかけに職員が10人以上退職したと。それが違うというのなら浜田市長の口から、真実をはっきり述べてください』とね、一般質問の中でね。北岡議員の」
御島媼「で、市長の答弁は?」
わかば「担当部長が、センターを『適切に運用されるよう努めて参ります』だって。辞めろと言ってないっていう市長の否定がないんだから、北岡議員の発言は真実を述べていたと解釈できるわね」
御島媼「そうなりますわな」
わかば「でも、まあ、3問目に意見として述べていて、できたら答弁してくれって…。武士の情けとして徹底的に追求しないってことかしら」
御島媼「北岡議員も善いテーマを取り上げるなぁ。…言をもって人を挙げず、人をもって言を排せず。いつも裁判を起こすあの人の言うことなら聞かない、じゃなくて、市はなぁ、誰が言おうと問題は問題としていっしょに考えるという態度を見せなくちゃ」
わかば「市の答弁は問題だわね。センターの財政難については市が支援すべきではないか…との質問に対して何も応えない。だけど北岡議員は、それにもめげず、きちんと2問目、3問目と質問してる」
御島媼「君、君たらずとも、臣、臣たり、じゃなぁ。議員の質問を無視するのは市民を無視することに等しい」
わかば「大阪医大がセンターの移転先として適切なのか、北岡議員の質問を聞いていて、私も不安になったわ」
御島媼「高木議員も同じセンターの話を取り上げておったな」
わかば「クラウドファンディングは今3,300万円集まっているけど、センターの理事長は高槻市長だし、本来は市の仕事ではないかと」
御島媼「うむ、左様。財団法人であるセンターに救急業務の運営を市が委託しておるのじゃが、外部委託とは行政法上、本来は自分の業務じゃが特殊な専門業務であるなど、特性上、専門家に任せた方が効率的な業務を外部に依頼するものをいうのじゃ。依頼にあたっては予算措置も講じる。じゃから、依頼した後も放任じゃなくて運営状況を管理する責任はある」
わかば「そうすると、当事者なのに『答える立場にない』というのは?」
御島媼「変じゃな」
わかば「逃げてるのね!センターが財政難に瀕した、そこで手を差し伸べるべき市が何もせず、困ったセンターがクラウドファンディングを考えだし、見かねた市民が善意の金を出した…」
御島媼「そういうことじゃな」
わかば「救急患者を市が見捨てた!寄付金を出した人は、市民税との二重払い!」
御島媼「そういうことにもなる。都合の悪いことは答えないに限る」
わかば「もう!」
御島媼「高木議員が最後に言っておったが…」
わかば「何を?聞き落としちゃった」
御島媼「『答弁のないのは残念。センターの大阪医大への移転について不透明な部分が多すぎる。法人にまかせっきりではなく、行政もしっかり支援すべき』と、冷静に紳士的にな。妾なら怒髪天を突くところじゃが」
わかば「立派な態度ね」
御島媼「移転に伴って退職する人が出たりすると困るし、大変な問題であるがな、どうも市の真摯な姿勢が見えないぞよ。『移転まであと3年持ちこたえればよい』との言葉は、正鵠を射ておるかも」
わかば「ふぅ…」

一般質問①

わかば「ママ~~!」
御島媼「ややや、久方ぶりじゃに」
わかば「こう暑くてはね、今城の森から出るのも大変」
御島媼「ほんに」
わかば「でも、なんだか、あれこれひどい話ばっかりでね」
御島媼「何のこっちゃ」
わかば「日韓とか、市議会とか。それで、どうしても話したくって、来たのよ」
御島媼「カラクニ…なぁ」
わかば「国と国との約束を守らないって、ひどいとは思わない?」
御島媼「約束よりも大事な事があるんじゃろ。約束を守って政権が倒れる、では困るらしい。彼の国はもともと、恨(ハン)の国。国土は何回も外国に侵略され、麺棒のごとく戦火が行ったり来たり。外国に対する恨み骨髄。そんな外国との約束よりも、とにかく国が生き延びる事が大事。国が、というより、政権が、かもなぁ」
わかば「うん」
御島媼「文化的先進国である韓国が、朝鮮文化のおかげで文字を知った後進国日本に…」
わかば「は?」
御島媼「いえ、の。彼らはそう思っておる。後進国日本には、そして朝鮮を植民地化した日本には、何をしても許される、と信じておる」
わかば「だけど、わがままの度がすぎる」
御島媼「その、度というのも、日本人の感覚じゃろな。顔は似ておる…関西人は特にな、似ておるけれども、民族的起源は別の、まったくの別の国じゃ。日本人の物差しで見ては、いかん」
わかば「それもそうね」
御島媼「外交交渉だけで1000年生きてきた国じゃ。その方面の戦術はうまい」
わかば「日本よりも?」
御島媼「日本人は縄文の昔から素直すぎる。外つ国の人と付き合うには、その国の文化や国情をバックスクリーンに投影しながら、その国、その人を見なきゃ、な」
わかば「そっか。ま、韓国の話は根が深いからこれくらいにして、市議会なんだけど」
御島媼「ふむふむ」
わかば「一般質問を聞いててね、ショックだったのよ」
御島媼「ふふふ、三島救命救急センターのことじゃろ」
わかば「あ、当たり。真打ち登場って感じでね、二日目に出て来た北岡議員と高木議員が取り上げてた」
御島媼「今回の一般質問の目玉の一つと、妾も感じたぞよ」
わかば「それ、書くときは『わらわ』とひらがなにしたら?めかけと読む人がいるよ」
御島媼「ふほほ」

植民地支配

8月09日のBS-TBS・報道1930によれば、この頃の日韓関係につき、外国メディアは概ね韓国に同情的だそうだ。出演していた外国人コメンテーター曰く「いまの日韓問題の根源は歴史にある。かつて日本は韓国を植民地支配した。植民地支配は悪である。よって日本が悪い」というものだ。ちなみに、彼らは「一般的外国人は細かい事は知らない」とも話していた。
外国人の無知、あるいは日本の説明不足がここに表われている。外国人は、自国がアジア・アフリカの植民地に対して行った収奪を、日本も韓国に対して行ったと思い込んでいる。その思い込みを利用して韓国は、自国を正とし日本を悪とする国際世論作りを行っている。
ところが、実態は違うのだ。ヨーロッパ各国は、植民地から鉱物資源を奪い、換金作物を植民地の住民に作らせて利潤を本国に持ち帰った。今のヨーロッパの豊かさは、これに拠る。しかし日本は朝鮮に対しそのような事はしていない。日本が何をしたか。日本統治によって李朝朝鮮そのままの貧しかった大韓帝国は近代産業国家となっていったのである。その状況の詳細は、実証的研究に基づいた中公新書・木村光彦著「日本統治下の朝鮮」によって知ることができる。
日清戦争後の1897年、それまで清に服属していた李氏朝鮮が独立して大韓と国号を変え、朝鮮王は清国皇帝に対抗して大韓帝国皇帝となった。当時、ロシアも南下政策を進めていたが、日露戦争後に手を引き、日本は1910年に朝鮮総督府を置いた。日韓併合である。
併合後、総督府は米などの農業生産を飛躍的に増大させた。生産物の一部は商業ルートで日本に移出され売られた。また、製糸業、鉱業などの産業を発展させ、電源開発を進め、鉄道を敷いた。一方で教育機会の均等化(貧富の差や男女差別なし)も進めた。これら近代化の過程に朝鮮人の活躍もあった。
統治に必要な経費は、朝鮮内部の租税のほか日本からの補充金や公債によってまかなわれた。1911年から1936年のデータをみると、この補充金・公債の額は少ない年で1400万円、多い年で4千万円に上り、歳入の35~60%が日本本国からの送金で支えられている。それは日本の国家予算・歳出額のざっと2%から4%に相当し、今の額で言えば毎年2~4兆円を朝鮮統治に投入していたことになる。植民地から利益を得たのがヨーロッパであり、「植民地」の近代化のために国家予算を充当したのが日本である。
ただ、皇民化という政策が、あった。創氏改名は悪政だと私は思う。民族文化は否定すべきではない。また二等国民云々の差別もあった。それらにつき謝罪すべき部分もある。
何事においても、実態を客観的に把握し、総合的に判断すべきだ。非科学的・情緒的な植民地同情論が世界の主流となってよいはずがない。(黄鶴仙人)

統一新羅

毎朝毎晩、日韓関係のニュースが賑々しい。
韓国とはどういう国か。それを知るための史料がある。書名は「三国史記」。西暦1145年(以下年号はすべて西暦)、当時の高麗の文官であり学者でもあった金富軾が古代朝鮮の百済・新羅・高句麗三国の歴史をまとめたものだ。朝鮮半島初の歴史書である。
668年高句麗滅亡後に統一新羅が成ったが、三国史記によると、この統一新羅という国は、しばしば唐と戦っては謝罪して許されるということを繰り返している。
671年6月、統一新羅は旧百済領内に駐留する唐軍に攻めかかった。旧百済は朝鮮半島の南西部に位置する。直後の7月、唐から譴責の使者が来て国の存亡の危機となったとき、譴責の手紙に対する謝罪文として長文の書を返した。その長さは、日本語訳の三国史記(1974年三一書房発行)で8ページ、約7,000字に及ぶ。先王以来唐には恩を受けた、謀反の気持ちはない、百済に騙された、嵐で使者が唐に行けず忠誠の気持ちを伝えることができなかったなど、言い訳が山ほど書いてある。そして、許された。
しかし翌672年8月、今度は北の旧高句麗領内にいた唐軍を攻めた。9月、そのリアクションとして旧百済駐留の唐軍が本国からの援兵と共に進軍し、国が危うくなると、唐に使者を送り謝罪文を奉じて許しを乞うた。その文には旧百済残党に攻め込まれたためやむなく戦ったと言い訳し、仁徳は昆虫にまで及ぶなどと皇帝を持ち上げ、皇帝の裁判に服する、「死罪・死罪」と結んでいる。このときも許されている。謝罪文には、旧高句麗領を攻めたことの反省は一言も書かれていない。
674年から675年にかけても同様の事件があり、また使者を送って許された。謝罪しつつも、旧百済・旧高句麗を唐の管理下から統一新羅の管理とし、領土を拡張している。
攻撃しては謝罪し、許され、多くの月日を経ぬうちに以前のことは忘れたかのように再び攻撃し、また謝罪する。その一方で実利は手にする。ここに統一新羅の特色がある。
長くなるが、ついでに百済。百済人の性格が興味深い。新羅に攻められ寡兵で小城を守る百済の将(名前は残っていない)は、降伏を勧められても「戦って死すとも生きて降伏はしない」と叫んだ。階伯という将軍は百済滅亡の淵に立ったとき、「敵の奴隷となって生きて辱められるよりは堂々と死ぬ方がましである」と言って妻子を殺し、五千の兵と共に新羅を迎え撃ち、玉砕した。
この百済の多くの人士が日本に亡命し近江朝廷の力となっているのは、日本書紀に明らかである。(黄鶴仙人)

広島原爆忌

昭和40年代の前半を私は広島近くの街で過ごした。広島は、瀬戸内海を前にした明るい県都だった。
しかし、広島では、子ども達は皆この歌を知っていた。「ふるさとの町焼かれ 身寄りの骨埋めし焼け土に 今は白い花咲く ああ 許すまじ 原爆を…。」
そして、屋根の鉄骨が曲がったり壁のレンガの色が変わっているなど、これが被爆した跡だと教えられた建物が、20年を経ても多く残っていた。ある銀行の入り口の石段に座っていた人が被爆死した跡、いわゆる「死の人影」も薄黒く残っていた。
出入りのクリーニング屋さんは、端正な顔立ちでいつもネクタイを締めていて、ユーモアのわかる男で、そのころ30代の後半くらいだっただろうか。彼には娘さんが二人いた。しかし、上の娘さんは10才で亡くなった。白血病だった。娘さんは戦後の生まれだが、彼とその奥さんは被爆者だった。その2年後、下の娘さんも同じ病で亡くなった。そして、夫婦だけが残る家庭になった。
広島に落とされた原爆は、爪痕を残すだけでなく、戦後を生きる人々をも支配していたのを目の当たりにした。
まだ若かった私は、そのとき、クリーニング屋さんにかける言葉を知らなかった。今でも…いや、今は尚更、わからない。子どもが10才以上には育たない運命を背負わされた彼に、何を言うべきか。何の落ち度もない一市民が、国の失策による重い責めを一身に受けている、その姿に対してどんな慰めが言えるのか。
そして思う。今の為政者…国、地方を問わず…が、自分の過ちの結果が形になって現われたとき、何を言う覚悟をもっているのだろうか、と。(黄鶴仙人)

議会だより:一般質問者名(その2)

朝から暑い~。Tenki.jpの予測によれば高槻では15時に37.8℃。パリ協定を無視してCO2を排出し続けているアメリカと中国に冷房費を請求したいものだ。
昨日も暑かった。その暑い中、調べてみた。議会で一般質問をした議員名を議会だよりで明記しているか否か、大阪府下の全市町村について。各市町村の議会だよりを読んでいると別の意味でも興味を引く話がいろいろあって、つい時間がかかった。それはともかく、調査結果は次のとおり。
議員名を書かない市…堺、豊中、高槻、富田林、高石の5市。高石は質問項目のみで内容不明。堺は独立した議会だよりがなく、市の広報誌に議会の動きを掲載するが、議案に対する質疑と一般質問を明確に区別していない。5市の人口計約175万人。
会派名のみを挙げる市…交野、池田、寝屋川の3市。一般質問のページは、どの会派がどのような質問をしたかを紹介し、併せて質問をした会派の構成員全員を記載する。会派の姿勢はわかるが、誰が質問したのかがわからない。3市の人口計約41万人。
議員名を書く自治体…上記以外の35市町村。顔写真を載せる自治体も多い。その顔写真の大きさが、人口の少ない市町村ほど大きくなる傾向がある。地域社会が生きていて人のつながりが強いためだろうか。35市町村の人口計約667万人。
調査中に気づいたが、市によっては声の市議会だよりを作成している。議会だよりをそのまま読み上げたものだ。これは善い。また、一般質問だけでなく議案の質疑も議員名を明記する市がある。これも市民にとってはありがたいことだ。議会だよりの中に議員が活き活きと見えるから。四條畷市議会では、市長の施政方針に対し、会派に属さない議員も質問していた。無言の行がない議会は善い。
調査中に偶然ヒットしたが、毎日新聞が政令市議会について本稿と同趣旨の調査をしていた*。それによると、全国20の政令指定都市のうち、一般質問をした議員の名を書かないのは、横浜・岡山・福岡・堺。会派名のみを書くのが横浜。質問者をまとめて掲載するのが、さいたま・北九州・相模原で、要するに8市は誰が質問したのかわからない。一方で、12市、つまり半数以上が議員名を明らかにしている。
議会で誰が何をしているのか、それを伝えるのは当たり前のこと。多くの市が当然のことを行い、多くの人が当然の恩恵を受けている。なのに高槻は…。
*  https://mainichi.jp/articles/20180702/ddm/041/010/092000c

(黄鶴仙人)